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掲載日:2017年9月15日
風水害とは、台風や梅雨前線などによる強風、大雨、高潮などによってもたらされる災害です。大きな被害をもたらすことがありますが、地震などと違い、気象情報をもとにある程度事前に予測できるため、それらの情報を受けた私たちがどう生かすかが重要となります。
台風は太平洋の赤道付近の暖かい海水が蒸発して発生する積乱雲の集合体で、回転運動を始め、強い風雨を伴って移動してくる熱帯低気圧のことです。南の海上にある間は東風に乗って西へ流されながら北上し、太平洋高気圧の縁辺を吹く風(縁辺流)や上空の強い西風(偏西風)に乗り、速度を上げながら北東へ進むのが一般的な台風のコースとなっています。
台風の進路予想図(気象庁HPより)
熱帯低気圧の中心付近の平均風速が秒速17.2mを超えると「台風」と呼ばれます。台風の風は一般に、中心に近いほど強く、また、突風とも言われる最大瞬間風速は、平均風速の1.5倍から3倍に達することがあります。
階級 | 最大風速 |
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強い | 秒速33m以上44m未満 |
非常に強い | 秒速44m以上54m未満 |
猛烈な | 秒速54m以上 |
階級 | 風速毎秒15m以上の半径 |
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大型(大きい) | 500km以上800km未満 |
超大型(非常に大きい) | 800km以上 |
風により押される力を風圧で表すと、風速の2乗に比例して増加するため、風速が強まると風圧は加速度的に強まり、固定されていない物が飛ばされたり、車両・船舶が転倒したりする被害が発生します。また、強い上昇気流が地上に到達してできる竜巻や、積乱雲の下で発生する爆発的な下降気流であるダウンバーストなど、風速毎秒60mを超える猛烈な気流により、被害が発生する可能性があります。
台風本体の雨雲による雨の他、太平洋側からの暖湿気流が日本の南東に向かって開けた山地斜面を上昇することで集中豪雨が発生しやすくなります。また、前線が停滞していると、地形に関係なく長時間同じ地域で豪雨が連続し、台風本体の雨雲による雨量が数十mmで終わる場合でも、実際は数百mmも降ることがあり、洪水、土砂災害につながる可能性があります。
台風(熱帯低気圧)の気圧が1ヘクトパスカル下がると海面が1cm上昇する「吸い上げ効果」や、台風の東側で吹く南風により海水を陸地側に運ぶ「吹き寄せ効果」などにより海水面が護岸より高くなることがあり、大潮のタイミングと重なると高潮となる確率が高くなります。また、地球温暖化の影響も無視できず、気象庁気象研究所などの研究グループによれば、気温上昇による台風の勢力拡大と海面上昇により、高潮被害は今後拡大するのではないかと予測されています。
都市型異常気象災害の一つであるゲリラ豪雨は、台風や前線による集中豪雨と違い、ヒートアイランド現象により発生すると言われており、その場で突然発生する積乱雲によって短時間に大雨をもたらすため、対応が遅れがちになり、浸水被害が発生したり、落雷による被害が発生しやすくなります。そのため気象庁では、ドップラーレーダーなどを利用して最新の観測データを処理し、1時間先までのきめ細かい降水予報を「高解像度降水ナウキャスト(外部サイトへリンク)」で発表しています。
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