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掲載日:2012年3月30日
これは郡中十錦(ぐんちゅうじっきん)という焼き物で、小谷屋友九郎(おだにやともくろう)(乾斎 けんさい・坤斎 こんさい)の作品中の逸品である。
郡中十錦というのは中国製上絵の十錦手(にしきでとは、赤・緑・黄・紫・青などの上絵具を施した陶磁器のこと)を模したもので、磁器釉表に青・黄・緑・赤桃・褐・薄コバルト青・白盛・脂・臙黒・金彩の上絵具を厚く塗り、その上に錐花(きりばな)(唐草などの釘ぼり)をして焼いたものである。その素地は砥部産で、後には多治見や九州産の物を使った。
この郡中十錦は、寛政年間(1789年~1800年)に郡中の灘町で薬種商を営んでいた小谷屋利八郎(こたにやりはちろう)の弟の友九郎が始めたものである。友九郎は、はじめ楽焼をしていたが後に十錦焼を苦心のすえ創始した。人びとの求めに応じて製作したが、その作品は精巧を極め、現在でも高く評価されている作品を多く残している。この十錦神酒瓶(じっきんみきへい)も乾斎(けんさい)の秀作として奉納されたものと思われる。
住所 |
稲荷本村 伊豫稲荷神社 |
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【市指定文化財】十錦神酒瓶<工芸品>