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掲載日:2024年5月22日

所信表明

《令和6年第2回(3月)伊予市議会定例会より》

 それでは、令和6年第2回伊予市議会定例会に当たり、市政に取り組む所信の一端を申し述べたいと思います。

 御案内のとおり、今年は議員の皆様方にとっても私にとっても有権者の方々から与えていただきました今期を締めくくる最終年度であります。
 市政運営や市長としての職責を果たしていくために、これまで議員各位をはじめ多くの方々にお支えいただいたことに対し、改めて深く感謝の意を申し上げたいと存じております。
 昨年を振り返ってみますと、世界を震撼させた新型コロナウイルス感染症が、5月8日に5類感染症に引き下げられて以降、人流と社会経済が活性化し、国内宿泊者数はコロナ前水準に回復、日本経済は、過去最大規模の設備投資の下、日経平均株価は約34年ぶりの高値を記録し、最低賃金も過去最大の上げ幅を記録するなど、30年間続いたデフレ経済やコストカット経済からの脱却の兆しが見られた一年でありました。
 そのような中、私は昨年の所信表明で、「令和5年は、将来にわたり3万人が住み続けられる伊予市の実現に向けて、人口減少対策を最優先課題に掲げ、子育て支援の更なる充実、ゼロカーボンシティへの挑戦、「啐啄同時」を常に意識した市政運営に邁進する。」と申し上げました。
 このことは、平成28年3月に第2次伊予市総合計画の中で掲げた未来戦略で、3万人が住み続けられる環境、3万人を支える産業育成、3万人の力を結集できる意識改革を唱えました。そのことにより、未来に繋がる30年先を見据えた施策を講じていけると確信したからであります。
 その未来戦略もあり、5月には「伊予市子育て応援宣言」を表明し、「育てよう未来の伊予、世界をかけるこどもたち」のキャッチフレーズの下、小児科医院の誘致・開業、出生時から切れ目のない包括的な支援を行うこども家庭センターの創設、ひきこもりや不登校児童等を支援する子どもの居場所事業の開始、本年1月からは子ども医療費助成の対象を18歳到達年度末まで拡大するなど、本市の未来を担う子どもたちの健やかな成長、そして夢や希望に向かって挑戦できるまちづくりを展開してまいりました。
 その他にも、「地域活性化の方策や地域課題の解決」に向けた民間事業者との連携協定の締結、移住交流体験施設の整備・供用開始、電子申請システムの導入、双海地域で自動運転バスの実証運行、本庁舎内に再生可能エネルギーを活用したEV電源供給システムの導入事業、愛媛県及びベンチャー企業と連携した「小規模分散型水循環システム」の実証導入など、未来型投資も積極的に行ってまいりました。
 岸田首相も先の施政方針演説の中で、日本社会の最大の戦略課題は「人口減少問題」と述べられております。本市の最優先事項も全く同じであります。令和6年も引き続き、将来にわたり3万人が住み続けられる伊予市の実現に向け、「啐啄同時」を常に意識しながら市政運営に取組むとともに、令和7年4月1日の市制20周年に向け、機運を醸成する一年にしてまいりたいと存じます。

 それでは、総合計画の5つの基本目標に沿って申し上げます。

1.快適空間都市の創造

 住みやすい都市空間づくりでは、JR「伊予市駅」、伊予鉄道「郡中港駅」周辺の利便性向上を図るため、関係機関等と整備内容、具体的なデザインについて協議を進めてまいります。
 また、令和6年度末には「IYO夢みらい館」前の広場や周辺の道路整備も完成予定であり、より多くの方が中心市街地を訪れ回遊することにより賑わいが創出されるまちづくりを進めてまいります。
 人に優しい道路・交通体系づくりでは、道路インフラ施設について、安全性や健全性を確認するための点検調査を行いながら、ライフサイクルコスト(LCC)を最小にするための予防的な措置に取り組んでまいります。
 また、「コミュニティバス」及び「デマンドタクシー」の運行の見直しを実施するなど、利便性の更なる向上と利用促進に向けて検討してまいります。
 情報化社会に対応した基盤づくりでは、情報通信の地域間格差を解消するため、引き続き未整備地区への光ファイバ整備を進めてまいります。
 併せて、自治体の行政手続効率化と市民の利便性向上を図るため、行政手続のオンライン化を推進してまいります。
 また、自動運転バスの実証運行を通じて、交通弱者への移動支援、交通の効率化、地域経済の活性化など、地域課題解決への検証を行ってまいります。
 安らぎのある住環境づくりでは、令和5年度から空家等対策の総合相談窓口としてNPO法人「空家サポート伊予」を開設しており、4月から12月までの9か月間で108件の相談を受けました。今後とも、空家等の増加抑制、老朽化防止対策、空家バンクへの登録、移住者への斡旋など、空家の利活用に向け、総合的な対策を推進してまいります。
 また、令和6年能登半島地震を機に、木造住宅の耐震診断、耐震改修の費用等に係る補助の追加受付を始めており、今後とも市民の皆様の安全な住環境確保に努めてまいります。
 潤いのある水環境づくりでは、将来発生が予想されている大規模地震に備え、耐震性が低く老朽化が進む水道の基幹管路から順次、耐震管への更新に取り組み、加えて、避難所指定建物への配水管の耐震化を進めることで、長期間断水の発生防止と安定的な飲料水の供給に努めてまいります。
また、近年多発している集中豪雨による大規模浸水を防除するため、雨水ポンプ場施設の計画的な更新に取り組んでまいります。
 安全・安心に暮らせる災害に強いまちづくりでは、令和6年能登半島地震への検証を通して、災害対策本部の運営や物資の備蓄など、災害応急対応体制の点検と改善を図ってまいります。
 加えて、災害の規模が大きくなるほど、自助・共助の重要性が増すことから、市民が「自らの命は自らが守り、地域で助け合う」という意識を持ち、行政がそれを全力で支援するという「住民主体の防災対策」への転換が求められる中、「防災意識向上対策」のひとつとして、自主防災会との連携を基軸に、人的及び財政的支援や地域の防災リーダーたり得る防災士の養成など、市民の防災意識と地域防災力の向上を推進してまいります。
 さらに、高齢者や障がい者などの避難行動要支援者の円滑かつ迅速な避難を図るため、引き続き個別避難計画の作成に努めてまいります。
 また、災害の多発・激甚化に伴い、消防団の活動が多様化かつ複雑化する状況を踏まえ、引き続き消防詰所をはじめ、車両や小型ポンプ、団員の安全装備品等、施設・資機材の整備及び更新など、地域防災力の中核を担う消防団の充実・強化に努めてまいります。
 循環型社会構築に向けた環境づくりでは、2050年のゼロカーボンシティの実現に向け、再生可能エネルギーの導入による主要公共施設のゼロ・エネルギー・ビル化を推進してまいります。その一環として、主要公共施設の再生可能エネルギーや高効率照明機器等の導入、さらに、一般家庭におけるゼロ・エネルギー・ハウスの補助金の創設も進めており、環境負荷の低減と併せ、環境に関心のある世帯の移住を促すなど、人口減少対策に資する事業を展開してまいります。
 また、ゼロカーボンシティに向けた取組の一環として、電気自動車の普及に努め、市民や企業を対象とした電気自動車等の購入補助を継続するとともに、今年4月の供用開始を目指し、本庁舎駐車場にEV急速充電器の設置も進めているところであります。
 さらに、電気自動車を大規模災害時の電源に活用できる仕組みづくりとして、再生可能エネルギーを活用したEV充電・蓄電設備の設置も進めており、大規模災害時には、避難所等に電気自動車を派遣し、市民の皆さまのスマートフォンや命を繋ぐ機器等の充電に活用できる体制を整え、脱炭素社会推進と併せ、災害に強く、地域貢献にも資する、持続可能なまちづくりを目指してまいります。
 また、ごみ処理の広域化の一環として、伊予地区清掃センターにおいて、ごみの中継施設の整備を計画しており、今年は中継施設の方向性を決定するなど、計画的な施設整備に努めてまいります。

2.健康福祉都市の創造

 次代を担う子どもたちの育成支援では、愛媛県の少子化対策補助金を活用した「若年出産世帯への応援」や「結婚新生活支援」等を継続して実施し、更なる少子化対策に努めるほか、18歳までの子どもとその家庭に対し、「こども家庭センター」を中核として、効果的で切れ目のない支援を重点的に実施してまいります。
 また、不登校児童や引きこもり児童等を対象とした「子どもの居場所事業」では、学校や地域等との密な連携の下、一体的な支援に努めてまいります。
 さらに、発達に不安を抱える子どもや保護者には、「利用者支援事業」等を活用したきめ細やかな対応に努め、一人ひとりに適(かな)う手厚い支援を届けてまいります。
 なお、「伊予市公立保育所・認定こども園の運営基本方針」に基づき「きたやまさき認定こども園」が令和6年度からスタートいたしますが、一時預かり事業等保育サービスの充実に引き続き努めてまいります。
 生涯にわたる健康づくりでは、令和6年度から、重要な健康課題のひとつである胃がんの早期発見を目指し、従来のX線検査に加え、内視鏡検査を選択できるよう計画を進めております。
 また、子育て世帯、特に就学前の子どもや家族を支えるための重層的なフォローアップ体制を整えることを目指し、保健センターにおいて、従来の3歳児に加えて新たに5歳児相談の仕組みを構築し、児童発達支援センターなど福祉部門と、個別の支援・配慮など教育部門との横連携強化に努めてまいります。
 健やかで生きがいの持てる高齢者福祉の実践では、住み慣れた地域で、誰もが安心して、健康かつ生きがいをもって生活できるよう、地域包括ケアシステムを深化させる取組を推進してまいります。
 特に、高齢者生きがい活動センター等を各地域の拠点として、介護予防・生きがいづくりを重視した事業を展開し、高齢者が主体となり地域で元気に活躍できるよう支援するとともに、介護サービスの質の確保と適正化に努めてまいります。
 また、増加する認知症高齢者に対し、尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう、正しい知識と理解を深めるための認知症施策を、総合的・計画的に推進してまいります。
 心の通った社会福祉の推進では、年々多様化・複雑化する福祉ニーズに対し、引き続き関係機関との連携により構築された包括的な支援体制による早期の解決に努め、地域共生社会の実現を目指してまいります。
 特に、障がい児や発達が気になる子どもに対し、乳幼児期・学齢期などにおいて、切れ目のない療育支援体制の充実を図り、障がいの有無に関わらず、同じ場で学ぶインクルーシブ教育の推進を目指してまいります。
 また、災害時の電力確保対策の一環として、常時、人工呼吸器を使用している方を対象とした非常用電源装置支給事業の早期実施に努めてまいります。

3.生涯学習都市の創造

 学校教育環境の整備・充実では、引き続き小中学校の長寿命化改良事業に取り組み、中山小学校南校舎工事の継続に加え、郡中小学校北校舎の一部工事に着手いたします。同時に、長寿命化改良計画について、今後の少子化の状況を考慮した見直しも行ってまいります。
 また、学校施設のトイレの洋式化について整備計画を作成の上、可能な限り早期に着手いたします。
 さらに、中学校部活動の地域移行について、愛媛県が策定した推進計画を基本に本市の方針を策定し、部活動の新たな運営主体となる地域クラブの設置・育成に必要な環境整備に取り組みながら、まずは運動部活動における休日の活動から段階的に移行を進めてまいります。
 生涯にわたり学習できる環境づくりでは、地域社会の教育力の低下が指摘されるとともに、学校が抱える課題が複雑化・困難化する中、教育基盤の再構築の観点から、コミュニティ・スクール、いわゆる学校運営協議会制度を市内の全小中学校に導入することで、学校運営に地域の声を積極的に生かし、地域と一体となった特色ある学校づくりを推進してまいります。

4.産業振興都市の創造

 魅力ある農業の振興では、持続可能な農業を推進するため、新たな農業参入者など将来有望な担い手に対し、愛媛県・JAえひめ中央と連携したサポート体制による総合的な支援を展開することにより、新たな人材の育成、確保に努めてまいります。
 さらに、中山間地域での農地の機能維持・発展を図るとともに、地域ごとに農地の利用目標を的確に反映した地域計画を策定することにより、集積・集約化の更なる推進を図ってまいります。
 また、気候変動に強い品種導入等により生産の安定化を図り、本市が誇るブランド産品の生産性をより高めた所得性の高い農業経営の確立に努めてまいります。
 持続的な林業・水産業の振興、林業の推進では、引き続き森林環境譲与税を活用し整備を行い、森林の適切な管理を図ってまいります。
 水産業の推進では、各漁業協同組合と連携し、水産業を支える担い手の確保・育成に努めるとともに、長寿命化計画に基づいた漁港施設等の整備を実施してまいります。
 活力ある商業・工業の振興では、商工団体、金融機関等との連携により、事業承継、そして新規創業を促す体制づくりを推し進めるとともに、物価高騰対策として消費喚起施策を行うなど、消費者及び事業者の支援を図ってまいります。
 また、伊予インターチェンジ周辺を対象に産業系土地利用の候補地を選定し、基本計画の策定および早期の事業化に取り組んでまいります。
 賑わいのある観光の振興では、JR南伊予駅前ふれあい広場など観光拠点施設の整備、既存観光施設の計画的な改修を進めるとともに、観光パンフレットの活用や、市公式SNSなどの情報発信を充実させることにより、観光客や市内宿泊施設利用者の増加に努めてまいります。
 また、昨年設立した観光物産協会に積極的に支援を行うことで、観光地域づくり法人としての基盤強化を図るとともに、関係機関、団体等との連携の下、外国人への対応(インバウンド)やオーバーツーリズム問題にも取り組んでまいります。

5.参画協働推進都市の創造

 市民が主役のまちづくりでは、従来の行政が主体となり市民生活をサポートするというものから、地域の皆様が、長年の歴史の中で蓄積してきた知恵やアイデアを、行政とともに作り上げていく仕組みへと変革が必要だと感じています。多様な団体が地域で連携し、広い視点で一体となって課題解決や新たな価値を創造するまちづくりを推進してまいります。そのためにも、市民の声が市政に反映できる仕組みづくりに加え、グローバルな視点で活動できる地域リーダーやそれを支える人材の育成に努めてまいります。
 また、人口減少社会の中で移住定住事業もより一層重要になってきています。これまで以上に、移住サポートセンター「いよりん」、地域団体及び関係機関との協働を推し進め、積極的に移住者の受入れを促進してまいります。
 さらに、昨年立ち上げた伊予市シティプロモーションサイトを活用し、「関東ふるさと伊予市」や「いよしファンミーティング」など、本市とのゆかりのある方との交流会を継続して開催しながら、魅力の発信とふるさとへの愛着を形成する取組を行うなど、関係人口の創出・拡大も目指してまいります。
 男女共同参画社会の実現では、関係団体と連携しながら女性の参画拡大やワーク・ライフ・バランスの実現等のための機運醸成を図り、男女が互いに尊重し合い、個性と能力が発揮できるまちづくりを推進してまいります。
 効率的で透明性の高い行財政運営では、社会情勢の変革に素早く対応するためには財源の確保は不可欠であります。限りある財源を有効活用するためにもスクラップアンドビルドのサイクル構築が必要であります。
 現行の行政評価システムについて、事務の効率化を図るとともに実効性を高めるため、重要施策の意思決定プロセスをシンプルで理解しやすい形にまとめるなど抜本的見直しを行ってまいります。

 

 

 以上、所信の一端を申し上げました。
 今後は、財政事情に鑑みながら、具体的な施策や事業を構築してまいりたいと存じます。
 冒頭、今期を締めくくる最終年度と申し上げましたが、思い返せば、平成25年6月議会、私が市長になって初めての所信表明の中で、「私の市政運営の基本姿勢は、動けば変わるという信念に基づき、課せられた諸問題に対して即現場、即対応の動きと、市民との対話による市政運営であります。私は人と人とのつながりを大切にしながら、市民の皆様の声に直接耳を傾け、市民の皆様方が何を望み、何に困り、何を必要としているのかを理解するとともに、それぞれの課題をどうすれば解決することができるのか、皆様方の知恵、アイデアをお借りしながら、それをパワーに変えて自らが先頭に立って動き、よりよき未来につなぐ伊予市の明日に変えていきたい。」と申し上げました。10年10か月経過した今も、その思いは全く変わっておりません。
 令和6年も、「できることは全てやる」という覚悟を持ち、3万人が住み続けられる伊予市の実現に向け、全力で取り組んでまいりますので、議員各位におかれましても、なお一層の御支援と御協力を賜りますよう、切にお願い申し上げまして、所信表明といたします。

お問い合わせ

総務部総務課 

伊予市米湊820番地

電話番号:089-909-6386

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